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先日の ハキリアリ のことである。

色々と知ってみると、アリの社会というのはとても組織的によく出来ていて、しかも無駄がない。例えば働きアリたちも、人間が思うように四六時中働きずめなわけではなく、幼虫がたくさんいるなどして食料が大量に必要なとき以外は、巣の中でじっとしているそうである。ハキリアリの場合でいえば、キノコ栽培が生産過剰になることのないように、一種のホルモンで成長をコントロールするというのだ。

そう言われてみれば、小さい木を一晩で丸坊主にする、あの勢いで365日働かれたら、胡蝶の庭などたちまち裸になってしまうはずだが、そうはならない。1年に何度かは、大事な木の若葉や蕾を持っていかれて泣くのだが、何事も起こらない期間のほうが、じつは多いと思う。必要な時に、必要なだけの葉を持っていくアリたちの生態を少しでも知ってみれば、「憎き敵を退治してやろう」などという過激な気持ちに、多少はブレーキがかかるのである。

1週間ほどの間、活動しているハキリアリの数も運んでいく葉の量もかなりのものだった。それでも、標的になっていたのはガジュマルの大木なので、いくら葉を切られてもあまり目立たない。だから、「幼虫がたくさん生まれて、キノコ生産に追われているのかな」などと、鷹揚な気分でこれを見ていたのだが・・・今日ふと気が付いたら、虫が付かなくて育てやすいはずのランタナと、害虫除けのつもりで植えたゼラニウムの花と葉が、ハキリアリに襲われていたのである。

ちょ、ちょっと待って、それは話が違う。
・・・やっぱり敵だ、ハキリアリ!!!