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前にも何度か書いているように、園芸植物と違って、雑草の名前を調べるのは結構大変である。特にメキシコでは、ちゃんとした植物図鑑のようなものがない。本屋に行って、「植物の写真や絵と、その説明が出ている本」 と言って、探してもらうのだが、出してくれるのはせいぜい、ヨーロッパや米国の本を翻訳したもので、メキシコではあまり役に立たない。図鑑が存在しないわけはないと思うのだが、恐らく、本当に専門的な研究者向けのものだけなのだろう。

Wikipediaを見たら、日本語の 「図鑑 」に相当する記事は、他に4ヶ国語 (英独中と、もうひとつは字が読めないのでわからない) しかなかった。しかも、日本語と比較すると説明は格段に少ない。そしてたとえば、英語ではタイトルが「Field guide」となっているので、ちょっと違うような気がして読んでみると、こういうものができた歴史からして、日本と米国では異なるのである。
そうしてみると、一般、児童、専門家等、対象別の図鑑、また写真集のような図鑑、持ち歩き用の小型図鑑など、選ぶのに困るほどの図鑑が出版されているのは、日本だけのことらしい。子供の頃から、名前の分からない動植物は図鑑で調べるのが当然、と思ってきたのだが、どうやらそれは、日本独特の文化なのだということに、今頃気が付いたのであった。

画像1枚目は、「メキシコの文化地図帳」というシリーズで、植物、動物、考古学、民芸、料理、音楽、観光等のテーマ別になっている。植物に関しては、メキシコ自生の植物が、生育環境ごとに紹介されているから、これをまあ、図鑑と言ってもよいだろう。写真があまりよくないので分かりにくいのだが、インターネットを使うようになる前は、この本だけが頼りだったから、製本はすでに分解寸前になっている。

下は、ネット上にある、「メキシコの雑草」 というサイト。メキシコで記録されている、3000種の植物を網羅するのを目標としているそうだが、現在はまだ750種くらいだ。このサイトでは、花の色や大きさ、花弁の数などで分類された画像が、サムネイルで表示されるので、目あての植物が探しやすい。また、一つ一つの種に関する記述もかなり詳細だから、これが、最近の強力な助っ人となっている。