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お菓子などを食べる時、剥がした包み紙を、いつも丁寧に手で伸ばす者がいる。皺ひとつなく平らになった紙が何枚かになれば、きっちりと揃えて重ねる。それで何かするわけではない。結局は捨てるだけなのだ。
かく言う胡蝶は、そうした包み紙をできるだけ細長く折りたたみ、一度結んでから捨てる。それで、この人物と胡蝶は、お互いに相手のことを "すごく変” だと、思っている。

まあそれは、個人の癖のようなものだろうけれど、じゃあ、トイレットペーパーの向きは、どうなんだろう。
メキシコ人家庭に行くと、画像のような向きにペーパーが取り付けてあることが多い。物心ついた頃から、トイレットペーパーの端は、上側にかぶさっているのが当たり前だったから、こうなっていると、出した手が一瞬戸惑うのである。

いつもこうなっているという事は、意識してこの向きに取り付けるのだろうけれど、「どうして?」ともし訊いたら、相手もびっくりしそうだ。一つ思いつくのは、日本のものとは違い、ここでは普通、ホルダーの上側にフタのようなものがついていないので、そんなことが何か関係しているのかもしれない。でも、こうなっていれば、猫がペーパーを全部引っ張り出してしまう(うちの猫はしないけれど)可能性は、低くなるのではないか、などとも思う。

本当にどうでも良い些細なことなんだけれど、たとえて言うなら、ハンガーにかかって並んでいる服の、一枚だけ向きが違うのを見つけたときのように、なんとなく気になってしまうのである。