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先日のEXPO で求めてきたカカオを焙煎してみた。

正直に言うと、家に帰って袋の中身をよく見た時、ちょっとがっかりしてしまった。買い置きのカカオと比べて、明らかに粒が小さくて黒っぽく、おまけになんだか萎びた感じなのである。安かったが、それなりの品質だったのかと、少し後悔した。ところが、焙煎してみて驚いた。クエルナバカの市場で買ったものとは、色も香りも歯ざわりも、全然違う。

画像の右側が、EXPOで買ったタバスコ州のカカオ。左は市場のもので、産地は不明だ。右のほうが黒っぽいが、薄皮をむくと、中身の色はずっと明るい。香りはこの方がチョコレートに近くて、歯ざわりがとても軽い。苦味も少ないようだ。

買うときに品種を聞いたのに、メモしておかなかったので忘れてしまったのが残念。カカオの代表的な品種としては、3つくらいがよく知られているが、細かく言えばさらに様々なものがあるようで、メキシコでは色々な品種の名を聞くことがある。チョコレートの味が原材料によって異なるというのも、これなら大いに納得である。同じカカオでもこれほどに違うと知って、急に興味がわいてきてしまった。

EXPOでは、カカオの薄皮だけを袋に詰めたものも、売られていた。それでカカオ茶というものを作るらしい。ネットで調べてみたら、熱湯に入れて数分置くだけで、薄皮に含まれた成分も有効利用できるというのである。ただ、これはカカオ自体を食べるよりもずっと苦く、甘みを加えずに飲むのはむずかしそうだ。だったら、カカオを薄皮ごと食べればいいと考え、胡蝶はそのままで食べている。

日本から来た友人に、カカオをドライクランベリーと一緒にすすめたら、すっかり気に入って、お土産にたくさん買って帰ったそうだ。