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メロンとキリンは親戚だ、というのは、胡蝶の持論である。

両者の網目模様が酷似しているということに、ある日気が付いたからだ。それ以来、メロンを見ればキリンを思い出し、キリンの姿にメロンを重ね合わせてしまう。・・・そんな突拍子もない連想に賛同する人には、これまでお目にかかったことがないけれど、相手がメキシコ人の場合にはさらに、まるで訳が分からないという顔をされる。それで思い当たったのだが、自分がキリンに似ていると主張するメロンは、日本のマスクメロンであって、こちらで一般的に流通しているメロン(カンタロープ種)は、網目がもっと細かくてつぶれており、到底キリンには見えないのだった。

・・・というのはまあ、どうでもいい事で、話はメロンパンのこと、いや、メキシコでごく普通に作られている、コンチャという菓子パンのことである。コンチャというのは貝殻の意味で、表面の模様もそれを現している。卵入りのふわっと柔らかく丸いパンは、メロンパンに似ているが、上に乗っているのは、砂糖と油脂、小麦粉を合わせた生地で、柔らかく、ポロポロと崩れやすい。メロンパンに重ねるクッキー生地は、むしろザクザクしているから、ここが大きな違いだ。

ところで、メロンパンの事を調べていたら、日本の中でも地方により、様々なバリエーションがあり、人それぞれに、メロンパンにこだわりがあるらしい、ということを発見した。それだけ広く、日本中で愛されているパンだということだろうか。じつはコンチャも、メキシコの伝統的なパンの中で、代表格の菓子パンなのである。

日本のメロンパンには、メキシコのコンチャがこれの起源だという説もあるという。はっきりとは分からないものの、両者に何らかの関わりがあると想像するのは、なんだか楽しい。