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気候の良いクエルナバカに住んでいると、春を待つときめきが失われてしまうのは、寂しい。

春を迎えるうれしさは、長い冬の厳しさがあってこそのもの。常春とも呼ばれるこの土地では、一年中半袖で暮らす身軽さも、明るい陽射しに花や蝶も、特別のことではない。でもだからこそ、いっそう大事にしている季節の節目が、胡蝶にはある。

名前からして春を意味するプリマベーラは、クエルナバカの日本人にとって、まさに桜を思わせる木の花だ。
胡蝶がひそかにお花見をする、何本かの大木 は、まだ花をつけていないけれど、街のあちこちで、咲き始めたプリマベーラの木に出会う。そうするとやはり、写真を撮らずにはいられないのだ。

クエルナバカでも、標高が高く冷涼な北部では ハカランダ が優勢で、プリマベーラはほとんど、南のほうにしかない。