3125干しアンズ


干しアンズを使って、ジャムを煮てみた。

この時期、市場にアンズが出てくると、毎年500グラムとか1キロとか買って来て、ジャムを煮る。アンズはアメリカからの輸入品で、キロ当たり100ペソくらいする。円にすれば600円ほどなので、ものすごく高価というわけではないが、キロ10ペソ前後のマンゴー(しかもすこぶる美味)と比較すれば10倍だから、つい、贅沢品という気がしてしまう。

そこで、干しアンズ(こっちは多分トルコ産)もキロ当たりの値段が同じくらいであることを思い出し、今回はそっちを買ってきた。160グラムの干しアンズに水と砂糖を加えて煮たら、500グラムの生果で作るのと同量くらいのジャムができたので、しめしめ原価は3分の1だ、と喜んだものの、味がはっきりと違う。これはこれで、まあ美味しいのだけれど、やはり干しアンズの味なのである。

さらに言えば、生ではボケたような味のアンズを煮ると、色も香りも酸味も際立ち、素晴らしく華やかになるのに対し、そのままで十分濃厚な味の干しアンズが、ジャムにしたら逆に特徴が薄まってしまうようで、物足りないのである。なんだか当てが外れたので、やっぱり生のアンズでジャムを作るべきか、それとも、ここはいっそ、バターを塗ったパンに、干しアンズをそのまま載せるというのはどうだろうか、などと・・・・・胡蝶が悩むのはいつも、食べ物のことばかりみたいだ。