3390フラン


スペインからラテンアメリカに広がったフランは、みんなが大好きなデザートの一つ。カスタードプディング、いわゆるプリンと似ているので、そのバリエーションかと思っていたら、どうやら起源が異なるらしい。

国により家庭によってレシピも様々だが、メキシコでは、エバミルクとコンデンスミルクと卵にバニラ・エッセンスを混ぜ、カラメルソースを敷いた型に流し、オーブンで湯煎焼きにする。一人分ずつではなく、大きな型で作り、切り分けるのが普通だ。この基本形に、生クリームやココナツミルクを加える、あるいはオレンジの皮をすりおろしたものや、グアバを入れるという人もいるらしい。今回若い人が作ってくれたフランには、クリームチーズと、バニラではなくアーモンドエッセンスが入っていた。固めでねっとりした食感と濃厚な味は、やはりプリンとは別物である。

こういうものが家庭料理として普及しているのは、作り方がとても簡単だからだ。エバミルクとコンデンスミルクを一缶ずつに、卵(レシピにより、3~5個くらい)とその他の材料を、全部ミキサーにかけてしまうので、ほとんど計量の必要さえない。また、フランとチョコレートケーキを重ねたチョコフランというものも、ケーキの部分には市販のケーキミックスを一箱使うのである。ちなみにこのチョコフランは、型にまずケーキの生地を入れ、上からフランのタネを流して焼くのだが、できあがるとあら不思議、フランの方が下になっている。ケーキの部分もしっとりした焼き上がりで、これまた美味しいものだ。