胡蝶の夢  ~メキシコ篇~

多様性の国メキシコ。常春のクエルナバカからの便りです。

カテゴリ: 言葉の周辺

歯の治療を受けていた。「痛くありませんか?」「ここは?」などと訊かれたとき、スペイン語の「はい」と「いいえ」は、シー(sí)とノー(no)だから、口を開けたままちゃんと返事するのはほぼ不可能。しかし相槌の打ち方として、ンッンーという音がある。後ろを上げれば肯 ...

話す際の言葉の選び方などには、人それぞれの癖のようなものがある。しかし胡蝶のスペイン語に、日本人の発想が影響していることを指摘されて、なるほどと思った。日本語の会話でよく出てくる、「うちでは」というのを、En mi casa(私の家では)と言っていたのである。家庭 ...

puebloというスペイン語がある。一般的には「村」のことだ。ある催しのための、プログラムの翻訳を頼まれて、この言葉を、日本語の「故郷」の意味で用いたことがある。ところが出来上がったプログラムの中でpueblo は削除され、別の言葉に置き換えられていた。恐らく、「村」 ...

"Meter la cuchara" (スプーンを入れる)という表現がある。人の食べている皿や料理途中の鍋に、自分のスプーンを勝手に突っ込む、という感じだろうか。つまりは出しゃばりで、歓迎されていない参加のことである。日本語だったら、「口を出す」「手を出す」などと言うところ ...

前回日本に行ったときの事だから、もう1年以上も経っているのに、なんとなく引っかかっていて、時に思い出す光景がある。ある日、車椅子の人がバスに乗ってきた。そのためのスロープや、車椅子を固定する設備がバスに備えられ、運転手が手伝って乗車させる様子が、一緒にいた ...

↑このページのトップヘ